2014年6月24日火曜日

論文掲載されました

先日、以前に投稿した論文が、気管食道科学会という学会の学会誌に掲載されました。
急性喉頭蓋炎68例の検討というタイトルですが、ありがたいことに今回、筆頭で掲載して頂きました。
さて肝心の内容なんですが、気管の入り口にあたる部分には喉頭蓋という器官が存在し、普段は食べ物が気管に入っていくのを防いだりするのに働いております。
急性喉頭蓋炎とは、その喉頭蓋が炎症を起こして腫れてしまう病気であり、ひどい場合には窒息に至り命にかかわることもある恐ろしい病気です。かなり強いのどの痛みがあるにもかかわらず、通常ののどの観察でははっきりとした所見が現れず、時に普通の風邪と見誤られてしまう危険があります。この病気の診断のためには、直接喉頭蓋が腫れている所見を観察する必要があり、耳鼻咽喉科医でないと診断は困難と思われます。
気管の入り口である喉頭蓋が強く腫れてしまうと、息ができなくなってしまうので、気管切開という処置が必要になることがあるのですが、すべての患者さんに必要になるわけでなく、どのような患者さんに対して気管切開が必要になるかということをまとめてみました。
気管切開のタイミングを誤ってしまうと患者さんが窒息してしまう可能性もあり、我々医療サイドにとっても非常にストレスがかかる病気であるにも関わらず、全国的にも統一された基準が存在せず、全国の耳鼻科医に多大なるストレスを与えております。
今回の論文が、全国の耳鼻科の先生方がこの疾患を治療する際に少しでも役立つことができればこんなにうれしいことはありません。